ToSUe's Bibliothek

腎臓、透析、リウマチ・膠原病を専門とする内科医です。面白かった本や日々感じたことの他に、個人的に関心がある腎病理に関する論文なども紹介していきます。

リウマチ因子 (rheumatoid factor; RF)

リウマチ因子は職場健診や人間ドックの項目に含まれることもあって、リウマチを疑う症状はないけど、健診で「陽性」になったため心配になって受診される方もときどきいらっしゃいます。リウマチ因子はその名の通り関節リウマチ患者さんの70~80%で陽性になりますが、関節リウマチではない人の10~20%にも偽陽性となってしまう検査です。

では、関節リウマチ以外にどんな疾患で陽性になるのでしょうか?

【リウマチ因子が陽性になる疾患】

シェーグレン症候群    75~95%
混合性結合組織病    50~60%
全身性エリテマトーデス    15~35%
全身性強皮症    20~30%
皮膚筋炎・多発性筋炎    20%
血管炎(PAN、GPA)    5~20%
サルコイドーシス    5~30%
原発性胆汁性肝硬変    45~75%
肝炎ウイルス感染症    25~76%
結核    15%
梅毒    8~37%
ヘルペスウイルス感染症    10~15% 

   [Dis Markers. 2013; 35(6): 727-734.より引用改変]

さらに、リウマチ因子は健常人でも5-10%に陽性となることもあるため、「リウマチ因子陽性=何らかの病気」というわけではありませんのでいちど受診してご相談をいただくのが良いと思います。